質問:投資性のある生命保険には、どんな種類とリスクがありますか?
保険で貯蓄や資産形成もできると聞きました。変額保険や外貨建て保険は、普通の生命保険と何が違い、どのような点に注意すればよいのでしょうか。
回答:増える可能性と同時に、減る可能性もある保険です
投資性のある生命保険は、死亡保障や年金の仕組みを持ちながら、運用成果や為替の影響で解約返戻金、満期保険金、年金原資などが変動する保険です。代表例は、変額保険、変額年金、外貨建て保険、外貨建て年金です。
「保険だから元本が守られる」「預金より有利」と考えるのは危険です。死亡保険金に最低保証がある商品でも、解約返戻金や満期保険金、年金額は保証されないことがあります。保障として必要なのか、資産形成として使いたいのかを分けて考えます。
まず公的保障と生活資金を確認する
投資性のある保険を検討する前に、死亡時は遺族年金、病気やけがは公的医療保険や高額療養費制度、働けないときは傷病手当金や障害年金などを確認します。金融庁の公的保険ポータルでも、公的保険を踏まえて民間保険を考えることが案内されています。
投資性のある保険は、長く続ける前提の商品が多く、途中で解約すると解約返戻金が払込保険料を下回ることがあります。生活費の予備資金、近い将来に使う教育費や住宅資金、医療費の自己負担分まで変動リスクにさらさないようにします。
| 種類 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| 変額保険 | 保険料の一部を特別勘定で運用し、運用成果によって解約返戻金や満期保険金が変動します。 | 市場リスクがあります。死亡保険金の最低保証があっても、解約返戻金や満期保険金は元本割れすることがあります。 |
| 変額年金 | 将来の年金原資を特別勘定で運用し、運用成果によって年金額が変動します。 | 老後生活費の基礎部分を大きく依存させると、受取時期の相場下落が家計に影響します。 |
| 外貨建て保険 | 保険料、保険金、解約返戻金などを米ドルや豪ドルなどの外貨で扱う商品があります。 | 為替変動で円換算額が増減します。為替手数料や、円で使うタイミングも確認が必要です。 |
| 市場価格調整がある保険 | 解約時の金利情勢などにより、解約返戻金が増減する仕組みを持つことがあります。 | 早期解約や金利上昇時の解約で、想定より返戻金が少なくなる場合があります。 |
投資性保険で確認したいリスク
- 市場リスク:株式や債券などの運用成果によって受取額や解約返戻金が変動します。
- 為替リスク:外貨建て保険では、円高になると円換算の受取額が減ることがあります。
- 費用:保険関係費、運用関係費、解約控除、為替手数料などがかかることがあります。
- 流動性:途中で資金が必要になっても、解約すると元本割れや保障喪失につながることがあります。
- 税金:満期保険金、解約返戻金、年金、死亡保険金は、契約者・被保険者・受取人の関係で税金の扱いが変わります。
- 告知と支払条件:保障を持つ保険である以上、健康状態の告知、免責、支払対象外も確認します。
契約前に見たい書類
投資性のある保険では、パンフレットの運用例だけで判断しないことが大切です。契約概要、注意喚起情報、設計書、特別勘定のしおり、約款、費用一覧、解約返戻金の推移、為替の前提を確認します。制度や税制、商品内容は変わるため、金融庁 保険を契約している方へや生命保険協会の学習情報もあわせて確認してください。
銀行や証券会社で販売される外貨建て保険・変額保険でも、預金ではなく生命保険です。預金保険制度の対象か、生命保険契約者保護機構の対象か、保険会社が破綻した場合の保護の仕組みも違います。
NISAやiDeCo、預金との役割を分ける
資産形成が主な目的なら、NISAやiDeCo、預金、投資信託と比較して考える必要があります。投資性保険は、保障と運用が一体になっているため、保障コストや保険契約としての制約も含めて判断します。
死亡保障が必要な人にとっては、保障を持ちながら長期資金を準備する選択肢になることがあります。一方で、保障がほとんど不要な人や、近い将来に使う予定のお金を運用したい人は、保険以外の手段のほうが合う場合もあります。
確認チェックリスト
- 死亡保障、老後資金、教育資金など、契約の目的を一つずつ分けた
- 遺族年金、公的医療保険、傷病手当金、障害年金などを確認した
- 生活費の予備資金や近い将来に使うお金を別に確保した
- 死亡保険金、満期保険金、解約返戻金、年金額のどこに最低保証があるか確認した
- 市場リスク、為替リスク、費用、解約控除、税金を確認した
- 契約概要、注意喚起情報、約款、特別勘定の運用方針を読んだ
- 解約・転換をする前に、保障がなくなる影響と再加入時の告知を確認した
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変額保険や外貨建て保険を契約・解約する前に整理したいとき
運用成果が受け取りに反映される保険は、保障、費用、最低保証、為替・市場リスクを分けて確認する必要があります。
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- 向いている人
- 変額保険や外貨建て保険のリスクを確認したい人、最低保証や費用を理解したい人、NISAや預金との役割分担で迷っている人。
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読者タイプ別の考え方
- 保障が必要で長期資金も準備したい人:死亡保障の必要額を先に確認し、投資性部分に回す金額が家計に合うか見ます。
- 老後資金を増やしたい人:公的年金、企業年金、iDeCo、NISA、預金と役割を分け、生活費の土台まで変動リスクに置かないようにします。
- 外貨建て保険を検討している人:円で使う予定の資金なら、為替が不利な時期に換金する可能性も考えます。
- すでに契約している人:解約返戻金、保障額、費用、運用状況、税金を確認し、解約だけでなく減額や払済なども含めて比較します。
次にやること
まずは、保険証券や設計書を見て、どの金額が保証され、どの金額が運用や為替で変わるのかを書き出します。そのうえで、保障が必要な部分と、資産形成として考える部分を分けましょう。
生命保険Q&A一覧
・生命保険は若いうちに入るべき?
・生命保険の保険金は差し押さえできるのでしょうか?
・生命保険会社からお金を借りられるって聞いたのですが?
・生命保険が相続税の節税対策になると聞いたのですが?
・保険料控除は無職の場合還付金ってあるのですか?
・無職でも生命保険に加入できますか?
・保険と預金はどちらを優先する?
生命保険の制度、税制、商品内容は変わることがあります。契約、解約、転換、税金の判断は、保険会社、金融機関、税務署、税理士などにも確認してください。