質問:保険と預金はどちらを優先すべきですか?
保険料を払うより、その分を預金したほうがよいのではないかと迷っています。保険と預金は、どちらを優先して考えればよいのでしょうか。
回答:保険と預金は勝ち負けではなく、役割で分けます
預金は、急な支出や近い将来に使うお金を確保するために役立ちます。病気やけがの自己負担、転職時の生活費、家電の買い替え、教育費の一部など、使う時期や金額が比較的見えやすいお金は、引き出しやすい形で持っておくと安心です。
一方、生命保険は、死亡、病気、就業不能など、自分の貯蓄だけでは対応しにくい大きな不足を補うためのものです。扶養家族がいれば遺族の生活費を、住宅ローンがあればまず団信で返済がどうなるかを確認します。自営業なら加入する健康保険や休業時の給付を確かめてから、不足分を民間保険で補うか考えます。
公的保障を確認してから不足分を考える
保険と預金を比べる前に、死亡時は遺族年金、医療費は公的医療保険や高額療養費制度、会社員等の病気やけがによる休業は傷病手当金、障害が残った場合は障害年金を確認します。金融庁の公的保険ポータルでも、公的保険を踏まえて民間保険を考えることが案内されています。
公的保障、勤務先制度、貯蓄で対応できる部分は預金や家計管理で備え、不足する大きなリスクだけを民間保険で補うと、保険料を払いすぎにくくなります。制度や税制は変わるため、金融庁 保険を契約している方へ、生命保険協会の学習情報も確認してください。
預金と保険の違い
| 項目 | 預金で備えやすいもの | 保険で補いやすいもの |
|---|---|---|
| 目的 | 生活費の予備、近い将来の支出、自己負担分の確保。 | 死亡、長期療養、就業不能など、貯蓄だけでは不足しやすいリスク。 |
| 使いやすさ | 必要なときに引き出しやすい。 | 約款の支払条件に該当し、請求したときに保険金・給付金を受け取る。 |
| 費用 | 保障のための保険料は不要。 | 保障を持つために保険料を払う。商品により払込期間が異なる。 |
| 注意点 | 大きな死亡保障や長期収入減には不足することがある。 | 支払対象外、免責期間、告知義務、解約返戻金、税金を確認する。 |
手元の現金と不足する保障を順に見積もる
- 近い支出生活費、引っ越し、学費など、いつ使うか決まっているお金はあるか
- 収入が止まる期間すぐ使える預金で、何か月分の必須支出に対応できるか
- 公的・勤務先の給付遺族年金、医療費の自己負担、傷病手当金、団信を確認したか
- 残る大きな不足家族の生活費や長期の収入減に、民間保険が必要か
緊急資金を何か月分にするかは、収入の安定性、扶養家族、使える給付で変わります。一律の金額を契約の基準にしないでください。
預金を保険料に回すと、急な支出に使える現金が減ります。一方、家族の生活費に大きな不足があり、貯蓄がたまるまで何年もかかるなら、必要な期間だけ民間保険で補う方法もあります。保険金額は「大きいほど安心」ではなく、公的給付と手元資金を差し引いて考えましょう。
貯蓄型保険は預金と同じではありません
終身保険、養老保険、個人年金保険などは、解約返戻金があるため貯蓄に近い説明を受けることがあります。ただし、預金と違って、早期解約で元本割れすることがあり、保険料を長く払い続ける必要があります。外貨建てや変額タイプでは、為替リスクや市場リスクもあります。
生命保険料控除や返戻率だけで判断せず、保障が必要か、途中で使う予定がないお金か、解約時に受け取る額と税金を確認します。預金保険制度の対象となる一般預金等は、金融機関が破綻した場合、預金者1人・1金融機関につき元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護されます。一方、生命保険契約者保護機構は、対象契約の破綻時の責任準備金等を原則90%まで補償する仕組みです。払い込んだ保険料や保険金の90%を保証するという意味ではありません。金融庁の預金保険制度と保護機構の説明で違いを確認できます。
次にやること
- 使う時期を分ける:毎月の必須支出と1年以内の予定支出を出し、すぐ引き出せる預金を確保します。
- 足りない保障を出す:扶養家族の生活費や働けない期間について、公的給付、団信、勤務先制度、手元資金を差し引いて見積もります。
- 契約条件を確かめる:不足分を保険で補う場合は、保険料を払い続けられるか、支払対象外、告知、途中解約時の返戻金を確認します。
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