保険料と受取額を混同しないために

予定利率とは

予定利率は、保険会社が保険料を計算する際に見込む運用収益の前提です。契約者が受け取る利回りではありません。今の契約を見直すなら、率の高低だけでなく、実際の保険料・保障・解約返戻金を比べます。

保険証券にある「予定利率」が気になった人や、以前入った保険の解約・転換を考えている人に向けて、数字の意味と比較の順番を整理します。予定利率が分からない場合も、契約先に試算を求めれば判断を進められます。

予定利率は保険料を決める前提の一つ

生命保険会社は、将来の運用収益を見込んで保険料を割り引いて計算します。そのときの前提の一つが予定利率です。保険料はほかに予定死亡率や予定事業費率なども使って決まるため、予定利率だけを取り出して保険料の有利不利は判断できません。生命保険協会の保険料の説明でも、これらの基礎率を分けて示しています。

予定利率から受取額までを混同しない
  1. 運用収益の見込み予定利率は、保険料を設計するための前提の一つ。
  2. 保険料の計算死亡率・事業費なども反映し、払う保険料が決まる。
  3. 契約を続ける保険料の一部は保障や契約維持に使われる。
  4. 受取額を確認保険金・年金・解約返戻金は契約書類の金額を見る。

図は概念図です。予定利率を保険料全額に掛けても、受取額は計算できません。

従来型の固定された契約では、契約時の予定利率が適用され続けるものがあります。一方、利率変動型では一定期間ごとに見直すものもあります。名称だけで決めず、保険証券と約款で適用の仕組みを確認してください。生命保険文化センターの用語辞典で定義も確認できます。

返戻率や預金金利とは何が違う?

似た数字でも、比べている対象が違う
数字意味と読み方
予定利率保険料を計算するための運用前提。払込保険料全額への利息や、契約者の確定利回りではない。
返戻率ある時点の受取額を払込保険料と比べた割合。いつ受け取るかで変わり、年率の運用利回りとは異なる。保障や税金も含まない。
預金金利預けた残高に付く利息の割合。保険の保障費用・解約条件がないため、予定利率とそのまま比べられない。

「返戻率110%」のような表示も、払込期間や受取時期を無視して年率10%の利益が出る意味ではありません。返戻率の読み方は返戻率とはで詳しく確認できます。

古い契約を残すか、新しい契約に替えるか

契約時期が古いというだけで、現在の商品より予定利率が高いとは限りません。保険種類、契約日、利率の見直し条件によって異なります。仮に予定利率が高くても、いま必要な保障や家計負担に合っているかは別の問題です。逆に、保険料が高く見えても、すぐに解約すると返戻金や終身保障を失う場合があります。

同じ条件で比べたい4つの数字
確認項目保険会社に尋ねること
これからの払込額今の契約を続けた場合、いつまで・合計いくら払うか。新契約では更新後の保険料もどうなるか。
解約返戻金今日解約する場合と、資金を使う予定の時点で解約する場合、それぞれいくらか。
保障と受取額死亡保険金・満期金・年金額、保障期間、特約、支払対象外がどう変わるか。
変更後の条件払済・減額・転換ができるか。新たな告知や保障開始の条件、消える特約は何か。

死亡保障を比べるときは、公的な遺族年金や勤務先の保障も踏まえて必要額を考えます。金融庁の公的保険ポータルで公的保障の入口を確認できます。予定利率の高さだけを理由に、不要な保障を保ち続ける必要はありません。

保険料が負担なら、解約以外も確認する

  • 減額:保障を小さくして保険料を下げる方法。減らした部分の保障・特約・返戻金への影響を確認します。
  • 払済:今後の保険料を止め、残る価値を使って保障額を小さくする方法。特約が消えるなど、契約ごとの条件があります。払済保険の注意点も確認してください。
  • 転換:旧契約の価値を新契約に充てる方法。旧契約の予定利率や保障はそのまま引き継がれるとは限らず、新契約の告知・条件も確認が必要です。契約転換の確認点を参照してください。

これらの方法を選べるか、変更後の保険金・解約返戻金がいくらかは契約次第です。新しい契約に替える場合、承諾・保障開始を確認する前に旧契約を解約しないよう注意してください。生命保険文化センターの見直し手引にも契約変更時の注意がまとまっています。

外貨建て・変額型は別のリスクも見る

外貨建て保険で利率が示されていても、円で受け取る金額は為替変動、為替手数料、解約時の市場価格調整などで変わり得ます。変額保険の積立金や解約返戻金は運用実績によって変動し、元本割れの可能性があります。「予定利率」という表示だけで両者の受取額を比べず、契約概要と注意喚起情報で費用・保証範囲・リスクを確認してください。

次にやること

  1. 保険証券を用意し、契約先に予定利率が固定か見直し型かを尋ねる。
  2. 現在と資金が必要になる時点の解約返戻金、残りの払込額、保障額を書面で取り寄せる。
  3. 減額・払済・転換の試算も同じ時点で比べ、保障や告知条件が変わる部分を確認する。

解約返戻金の受取時の税金や受取人の扱いは契約形態で異なります。金額が大きい場合は保険会社や税務署、税理士に個別条件を確認してください。返戻金の基礎は解約返戻金とはでも読めます。

広告

古い保険を解約・転換する前に契約内容を整理したいとき

予定利率の高い可能性がある契約は、保険料だけでなく、解約返戻金、終身保障、特約、税金を確認してから判断することが大切です。

ほけんのAIは、LINEで保険証券や家計の悩みを整理し、必要に応じてFPオンライン相談へ進める民間サービスです。古い終身保険、養老保険、個人年金保険を解約・転換する前に、契約価値と家計への影響を整理したい人に向いています。

向いている人
予定利率が高いかもしれない契約を持っている人、契約転換を提案された人、解約・払済・減額の違いを保険証券ベースで確認したい人。
注意したい人
すでに解約手続きだけをしたい人、特定商品だけを比較したい人、AIだけで契約判断まで完結したい人。

無料相談は公的な中立相談ではなく、提携FP・保険代理店等につながる可能性がある民間サービスです。予定利率、解約返戻金、払済後の保障額、税金、契約者貸付の条件は保険会社や専門家にも確認してください。

古い保険の見直しを整理する

サイト監修者

ふかちゃん

MoneyLifehack(マネーライフハック)編集長

株式会社イノベイドの金融情報提供事業部で、MoneyLifehack(マネーライフハック)の編集長を務めています。証券会社で家計改善・資産運用の相談業務に携わった経験をもとに、2004年から金融・投資・節約などの情報を発信しています。

プロフィール・経歴 X:@mlifehack123

記事制作:株式会社イノベイド