受け取った後の手続き

保険金・給付金の確定申告は必要?税区分と確認手順

入院給付金は原則非課税ですが、医療費控除では確認が必要です。死亡保険金や満期金は実際の保険料負担者と受取人などによって税区分が変わります。受け取ったお金の種類から順に確認しましょう。

申告の要否は四つの順序で確認
  1. 受け取った種類死亡・満期・解約・年金・医療給付のどれか
  2. 契約の当事者実際の保険料負担者、被保険者、受取人
  3. 受取方法と税区分一時金か年金か、所得税・相続税・贈与税など
  4. 申告の要否同年の所得や遺産全体、他の申告理由も確認

保険金の受取額だけでは、税額も申告の要否も決まりません。保険会社の支払通知と契約履歴を手元に置いて進めます。

生命保険料控除の年末調整と、保険金受取時の申告は別

年末調整で生命保険料控除を申告していても、満期保険金、解約返戻金、個人年金などを受け取った年の所得まで精算されるわけではありません。保険会社の支払通知を確認し、受取人自身が税区分と申告の要否を判定します。

死亡保険金を一時金で受け取った場合も、実際の保険料負担者・被保険者・受取人の組合せによって、所得税・住民税、相続税、贈与税のいずれかに関係します。入院給付金など、受け取っても原則非課税となるものもあります。契約者名だけで判定しないでください。

最初に税区分を判定する

受け取ったお金と当事者から税区分を探す
受取内容と条件まず確認する税区分
本人など所定の受取人が受け取る入院・手術給付金原則、所得税は非課税。ただし医療費控除では、対象となる医療費から補てん額を差し引く。
負担者と受取人が同じ満期保険金・解約返戻金(一時金)所得税・住民税の一時所得。一定の一時払養老保険等は源泉分離課税となる場合がある。
負担者と受取人が異なる満期保険金等贈与税。所得税の確定申告書にそのまま計上するものではない。
負担者と受取人が同じ個人年金(年金受取)公的年金等以外の雑所得。受け取った年ごとに計算する。
亡くなった被保険者が保険料を負担した死亡保険金相続税。申告の要否は、その保険金だけでなく遺産全体なども含めて判断する。
保険料負担者が受取人となる死亡保険金(一時金)所得税・住民税の一時所得。年金受取なら雑所得など別の扱いになる。
負担者・被保険者・受取人がそれぞれ別の死亡保険金贈与税。受取人と負担者の関係を契約履歴で確認する。

一つの契約を複数人で負担していた場合は按分が必要になることがあります。

名義変更、保険料の口座、贈与、法人負担、相続した年金受給権などがあると判定が複雑です。税務署、税理士、保険会社へ契約履歴を示して確認してください。

入院給付金は非課税でも、医療費控除では確認が必要

病気やけがに基づく入院給付金・手術給付金などは、所定の受取人が受け取る場合、原則として所得税の対象になりません。給付金を受け取っただけで所得税の確定申告をする必要はありません。ただし、医療費控除を申告するなら、その入院などの医療費を補てんする給付金は、対象となる医療費から差し引きます。差し引ききれない額を別の治療の医療費から差し引く必要はありません。

たとえば入院費用15万円、同じ入院に対する給付金20万円なら、医療費控除上、その入院費用15万円から差し引く額は15万円までです。残る5万円を別の通院費から差し引く扱いにはしません。本人の死亡後に未請求の給付金を遺族が受け取る場合などは相続税の論点が生じ得るため、受取人と請求時期を確認してください。国税庁の入院費用と医療費控除の案内も参照してください。

満期保険金の計算と20万円基準を確認する

本人が負担した満期保険金などを一時金で受け取る場合、受取額から払込保険料等と一時所得の特別控除(最高50万円)を差し引き、その2分の1を所得に算入するのが原則です。満期保険金の税金と計算例で、自分の契約に近い受取方法を確認してください。

1か所の給与で年末調整済みなど、一定の給与所得者には給与・退職所得以外の所得が20万円以下なら所得税の申告が不要となる場合があります。ただし、還付申告をする場合や住民税の申告などは別です。保険金の受取額をそのまま20万円と比べず、国税庁の判定案内で条件を確認します。

個人年金は年ごとに雑所得を計算する

保険料負担者と年金受取人が同じ個人年金は、公的年金等以外の雑所得です。原則として、その年に受け取った年金額から、その年金額に対応する払込保険料等を差し引いて計算します。保険会社から送られる年金支払証明書等で、必要経費や源泉徴収税額を確認します。

負担者と年金受取人が異なる契約や、相続・贈与で年金受給権を取得した場合は、取得時と毎年の年金受取時の課税関係が分かれます。自己判断せず税務署または税理士へ確認してください。

申告前に準備する書類

申告前にそろえる主な資料
確認・準備するもの確認する内容
保険会社の支払通知・計算書受取額、払込保険料等、必要経費、源泉徴収税額、支払日。
保険証券・契約履歴保険料負担者、被保険者、受取人、名義変更、受取方法。
源泉徴収票など所得資料給与、公的年金、ほかの所得と年末調整の内容。
本人確認・口座情報マイナンバー関係書類、還付先口座など。e-Taxの方式に応じて準備。
ほかの控除資料医療費、寄附金、社会保険料など同じ申告で扱う資料。

必要書類や添付・保存方法は申告方法と年度で変わります。国税庁の確定申告書等作成コーナーまたは税務署で最新の案内を確認します。

所得税の申告が必要なら、支払通知の受取額・払込保険料・源泉徴収税額を国税庁の作成コーナーへ入力し、計算根拠と申告控えを保存します。相続税・贈与税や住民税は別の申告・確認が必要になる場合があるため、所得税の申告書だけで終わると決めつけないでください。

公式情報

税制は2026年9月に確認しています。申告する年分の法令・様式を再確認してください。

次にやること

保険会社の支払通知を手元に置き、「実際の保険料負担者・被保険者・受取人・受取方法」を一行で書き出してください。