受け取る時期の違いを同じ時点で比べる
現在価値(げんざいかち)は、将来の金額を今の時点に換算した値です。たとえば「今の100万円」と「1年後の100万円」は、受け取る時期が違います。将来のお金を一定の割引率で割り引くと、同じ時点の価値として比べられます。日本銀行の現在価値の解説でも、将来の各時点の金額を割り引いて合計する考え方を示しています。
割引率を年1%と仮定した例
税金・手数料などを考えない単純な例です。将来100万円を1回受け取る場合、現在価値は「100万円 ÷ (1+0.01)年数」で求めます。分母は割引率そのものではなく、1+割引率です。
| 受取時期 | 計算 | 現在価値 |
|---|---|---|
| 今 | 100万円 | 100万円 |
| 1年後 | 100万円 ÷ 1.01 | 約99.01万円 |
| 2年後 | 100万円 ÷ 1.012 | 約98.03万円 |
これは仮定した割引率による比較です。「1%で必ず運用できる」「保険の受取額がこの金額になる」という意味ではありません。割引率や受取時期が変われば結果も変わります。複数年にわたり年金を受け取る場合は、各年の受取額をそれぞれ割り引いて合計します。
保険を比べるときの使いどころと限界
個人年金保険で受取時期の違いを考える補助にはなりますが、契約上の年金額や解約返戻金をこの簡単な式だけで計算できるわけではありません。保障に充てる部分、費用、商品ごとの解約条件、外貨建てなら為替変動なども関係します。生命保険文化センターの個人年金保険の解説では、受取方式と解約返戻金などの注意点を確認できます。
見積もりを比べるなら、まず払込保険料の総額、実際に受け取る時期と金額、途中解約時の額を保険会社の設計書で確認します。個人年金保険の考え方も参照してください。なお、事故の逸失利益を現在価値に直すライプニッツ方式は損害賠償の計算であり、契約済みの死亡保険金額を決める方法ではありません。