逸失利益の計算

ライプニッツ方式とは?

事故で失われた将来の収入を、現在の一時金の価値に直すための方法です。生命保険の死亡保険金を計算する方式ではありません。

将来の収入を今の価値に換算する

ライプニッツ方式は、交通事故などで被害者が死亡したり後遺障害が残ったりしたとき、事故がなければ得られたはずの収入(逸失利益)を現在価値に換算する方法です。将来の収入をまとめて今受け取る場合の「中間利息」を複利で控除するため、就労可能年数などに応じたライプニッツ係数を使います。国土交通省の自賠責保険支払基準にも、逸失利益の算定でこの係数が示されています。

死亡事故の逸失利益は、考え方として「年収などの基礎収入から本人の生活費を差し引いた額 × 就労可能年数に応じたライプニッツ係数」で見積もります。後遺障害では生活費控除ではなく、障害の程度に応じた労働能力喪失率を用います。日本損害保険協会の説明では両者の計算項目を分けて確認できます。

生命保険の死亡保険金とは別の金額

似て見える三つの金額の違い
金額何を表すかまず確認するもの
事故の逸失利益事故がなければ得られたはずの収入についての損害額事故時期、収入資料、後遺障害の認定、適用される支払基準
生命保険の死亡保険金加入した契約で定めた保険金保険証券、契約内容、支払事由・免責事由
家族の必要保障額将来の支出から遺族年金・預貯金などを引いた不足額の目安家計、家族構成、公的遺族年金、勤務先の保障

死亡保険金は契約で決まるため、ライプニッツ係数を掛けて求めるものではありません。また、逸失利益の額がそのまま生命保険で準備すべき額になるわけでもありません。生命保険文化センターの必要保障額の解説は、支出見込額から収入見込額を差し引く考え方を示しています。具体的な整理は必要な死亡保障額で確認できます。

金額を調べるときの注意

逸失利益は、収入、年齢、生活費控除、後遺障害の程度、事故時期などで変わります。過去の記事にある利率や係数を現在の事故へそのまま当てはめないでください。自賠責保険の支払基準と、個別の損害賠償で争点となる金額も同一とは限りません。事故の賠償額については、保険会社や法律の専門家に個別の資料を示して確認してください。生命保険の請求については契約先へ、必要保障額の見直しについては家計と公的保障から確認します。